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表尾根があるならば、裏尾根はあるのだろうか? [山ヤと煙はなんとやら。]

おはようございます、38kicksでございます。

僕が登山をとりあえずの趣味にしていた10代の終わり、ホームグランドは丹沢だった。生物部の夏合宿で尾瀬に行って、部長の権限で本体とは別行動して至仏山や燧ケ岳へ登ったが、それは親が合宿費を出してくれたから可能だっただけで、逆立ちをしてもアルプスに行くお金は出てこなかった。つまり、高校生の小遣いで行けるのは丹沢くらいしかなかったのだ。しかし、登山を再開してみて気が付いたのだが、僕は大倉以外の登山口から登ったことがなかった。正確に言えば、厳冬期に沢登りをしたり、友人の歩荷に付き合って人気のないルートを登ったり、ロッククライミングをした覚えがあり、それは大倉ではなかったとは思うのだが、とにかく、普通の登山というくくりで言えば大倉しか利用していない。なぜかと言えば、バス代が安いという理由しか思いつくことはできない。丹沢なら昼飯代込みで5000円で済ますことができる。その5000円を捻出するのが難しいお年頃だったのである。

11月に大山へ行き、次はどうするかとなった時、まず浮かんだのが鍋割山である。大倉から登る鍋焼きうどんで有名な山である。大倉から塔ノ岳に登る場合、バカ尾根と呼ばれる大倉尾根を登るのが一般ルートとされているが、僕はこの急登が続くバカ尾根は登りたくないので、鍋割山を経由して塔ノ岳へ登りバカ尾根を下るルートを何回か歩いたことがある。なので、ここを歩けば今の自分のレベルを把握することができる。もう一つの選択肢が表尾根だ。大山でも利用したヤビツ峠の登山口から塔ノ岳へ向かい、バカ尾根を下るルートである。厳冬期に入ると道路の凍結によりヤビツ峠へのバスが手前の蓑毛までしか行かなくなる可能性があるので、行くなら寒さが厳しくなる前がいいし、ヤビツ峠までのバスはそう何度も乗りたくないので早めにやっつけてしまおうという考えもあった。

そんなわけで、12月25日のクリスマスにヤビツ峠から塔ノ岳へ向かうことにした。このルートはコースタイムが7時間を少し超えるし、ちょっとした鎖場もあるので、ハイキング気分で歩くとやられる可能性があるが、「登山」初心者でも歩けるルートだとは思う。先月、奥高尾縦走と呼ばれる陣馬山から高尾山まで歩いてみたところ、丹沢とは山の質が違うことがよく分かった。丹沢は最高峰の蛭ヶ岳でも1673mなので低山気分で行くと痛い目に合う。例えば、渋沢駅から大倉登山口までバスで15分である。街からすぐの所に山がド~ンである。急登があるに決まっているではないか。バカ尾根が富士山登山の訓練で登られているのはこのためだ。

僕は鎖場も怖いと思ったことはない。高校生の頃にロッククライミングをかじっておいて良かったと思う。東京オリンピックのクライミングの解説をしていた平山ユージが注目された頃で、山の岩登りではなくロッククライミングというジャンルがあるのを初めて知り、なんだかかっこいいじゃないかと思ってしまった。今ではすっかり忘れてしまったロープワークを覚えたり、三点確保やら懸垂下降やらカラビナもハーケンもユマールもかっこいい単語としてインプットされた。僕が登ったことのある鎖場なんて甘っちょろいルートばかりだから、今後それなりのルートを登る時は心して掛かるつもりではあるが、高校2年の秋に谷川岳の西黒尾根を登っているので満更ではないのかもしれない。その頃に較べたら体のあちこちにガタが来てますのでね、余裕ぶっこくと死んでしまうので気を付けたいと思います。
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さて、肝心の表尾根の話になりますが、鍋割や塔ノ岳では得られないものがある。稜線歩きと山の眺望である。僕がホームは丹沢ですとか言うのが恥ずかしくなるくらい、僕は丹沢のことを知らなかったんだなと思いましたよ。鍋割のメインは樹林帯のコースで、塔ノ岳へ向かうブナ林の美しさには定評がある。塔ノ岳からは眼下に厚木市と海の眺めが素晴らしい。しかし、山の連なりを感じることができる眺めには乏しい。そこを求める人はアルプスに行けば存分に味わえるのではあるが、岩稜の山と緑の山から受ける印象はだいぶ違う。丹沢は低山ならではの緑の連なりを味わうことができる。その代表が表尾根ではないのだろうか。
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大山だって山であると大山は言った。 [山ヤと煙はなんとやら。]

おはようございます、38kicksでございます。

では、山登りの話を振り返りで進めてまいりますか。細かい話は前回のブログで書いたので省きまして、去年の11月だかに丹沢の大山に登った話をいたしましょう。大山は神奈川県で一番多く登られている山なんだそうで、ケーブルカーがあったり神社があったりと高尾山に似ている。通を気取った山ヤからすると、観光登山とか言って小バカにしがちな山である。

ではなぜ登りに行ったかと言えば、ブランクがあり過ぎたので軽めの山で調子を見たかったからである。紅葉の季節だし、登ったこともないし、行ってやってもいいかなという気分だった。ところがどっこいケーブルカーを使わないコースを選んだら、これがどうにもそんなに軽くはなかった。
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ヤビツ峠へ向かうバスからして満員で臨時便が出るほどの賑わいだった。紅葉のハイシーズンではあったが、平日だしなと思っていたのが間違いだった。世間では山ガールがどうしたこうしたと言っているが、バスに乗っているのは基本的にジジババが多く、遠足前の子供じゃあるまいしテンション高めでよく喋る。密の車内では遠慮しろよと思いつつ、もう先が短いから好きにさせてあげるかと優しい気持ちにもなる。しかも、このバスは山道を行くので良く揺れる。普段は乗り物酔いをしない僕でも気持ちが悪くなってしまった。ヤビツ峠行きのバスは厳冬季になると路面凍結の為に手前の蓑毛までしか行かないこともあるくらい高度を稼いでくれてありがたいし、塔ノ岳への表尾根ルートは眺望がいいので利用者が多いので、もう少しバスの本数を増やしてくれてもいい気がする。座れたら乗り物酔いはしないだろうし、登山の前に体力の消耗はできるだけ避けたいところだ。
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ヤビツ峠から登ってもコース自体は短く、大山までは1時間強、下ってケーブルカーの先のバス停まで入れても3時間とちょっとである。しかし、ブランクが長かったせいか、意外とやられてしまった感がある。ランニングを続けているからといってアスリート並みではないわけだし、ランニングと登山では使う筋肉が違う。ランニングは3日も走らないと走るための筋力が落ちる、登山はそれが2週間なんて言われている。僕の場合はほぼ30年振りだから仕方がない。それに、コースには岩が多かったり石段が多かったりするので、それも言い訳としては最適である。それでも、歩くだけではなく、多少なら走れることも分かったし、少しずつ登る山のランクを上げていこうという思いも芽生えてしまったのである。
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